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覚園寺(見どころ・アクセス) 北条義時ゆかりの薬師如来と十二神将像 /鎌倉神社仏閣#022

覚園寺 山門

覚園寺は、建保6年(1218年)に北条義時が薬師如来の十二神将「戌神」からのお告げを受けて建立した大倉薬師堂を前身とする寺院です。永仁4年(1296年)に9代執権北条貞時が祈願のため寺に改めました。鷲峰山を山号とし、薬師三尊を本尊とする真言宗泉涌寺派の仏教寺院で、鎌倉幕府執権北条家に尊崇されました。自然豊かな境内は、古き鎌倉を忍ばせる趣で、国の史跡に指定されています。

鎌倉駅からのアクセス

JR鎌倉駅東口から大塔宮行(京浜急行バス 鎌倉20系統)バスに乗って、終点「大塔宮」バス停で下車、停車しているバス後方に伸びている細い道を徒歩で10分ほど進むと覚園寺となります。鎌倉宮からの道は住宅街を抜ける細い一本道です。車は多くはありませんが、住民の方や覚園寺参拝者の方が通りますので、注意して進みましょう。

大塔宮バス停付近
大塔宮バス停から覚園寺方向を見る
細い道を進む
覚園寺の山門が見えてくる

鎌倉宮へはJR鎌倉駅から徒歩でも30分ほど、詳しくは鎌倉宮のページを御覧ください。

由緒

覚園寺の起源は建保6年(1218年)、北条義時公が薬師如来を信仰し夢のお告げに従って建立した大倉薬師堂にあります。その夢の中で十二神将の戌神伐折羅大将が現れ、源実朝公の鶴岡八幡宮拝賀に同行しないよう告げたことから、十二神将を祀るため大倉薬師堂が建てられました。 翌年、右大臣拝賀の式にて実朝公が公暁法師の襲撃を受けた際、拝賀の前に義時公の前に白い犬が現れ前に進めなくなり自宅に戻り難を逃れたとされています。これ以降、薬師堂は歴代北条氏に深く尊崇され、後醍醐天皇や室町幕府の足利尊氏にも保護を受けました。

永仁4年(1296年)、九代執権北条貞時公が元寇の脅威が去ることを願い、薬師堂から覚園寺を創建しました。境内は鎌倉幕府時代の武士たちの祈りの場として位置づけられ、その後の勅願所や祈願所としての役割も果たしながら繁栄しました。

室町時代には足利尊氏により薬師堂が再建され、薬師三尊像が安置されました。この像は現在国指定重要文化財に指定されています。

案内
愛染堂

境内の見どころ

山門正面に愛染堂が建ち、拝観受付の奥からは拝観順路に沿っての脇の参道を進むと地蔵堂、千体堂、十三仏やぐら、旧内海家住宅、薬師堂(本堂)があります。拝観受付から先は撮影禁止のため写真はありません。

境内案内

山門

鎌倉宮から続く細い道の突き当りの石段の上に覚園寺山門が建っています。

覚園寺山門
山門の提灯
愛染堂側から山門

愛染堂(あいぜんどう)

山門を入ると正面にあるお堂です。明治の廃仏毀釈で廃寺となった大楽寺のお堂が移築されました。愛染明王坐像が安置されています。愛染堂の向かって左手に拝観受付があります。

愛染堂
愛染堂前の庭園

地蔵堂

拝観受付を通るとまず地蔵堂にお参りします。地蔵菩薩が本尊の小さなお堂です。黒地蔵として親しまれ、毎年8月10日には黒地蔵縁日として施餓鬼法要が行われます。

千体堂

地蔵堂となりには、お地蔵様の分身を千体近くまつる千体堂があります。

やぐら

鎌倉のやぐらは武士や有力者の墓であることが多く、境内には200のやぐらが確認されているそうです。参拝順路のやぐらは、その中でも大きなもので、儀式や修行のためのものと推測されています。

内海家

江戸時代である宝永3年(1706年)に建築された鎌倉市手広の名主の住宅を、1981年に移築しました。広い土間と開放的な室内が特徴ですが、採光は悪く昼でも暗いです。

薬師堂(本堂)

覚園寺の本堂で、建保6年(1218年)に建てられた大倉薬師堂が消失したあと文和3年(1354年)に足利尊氏によって再建されています。現在の堂内の天井の梁の一部には尊氏自筆の銘が残されています。
屋根は茅葺き、入口は3箇所、内部は天井がなく土間のまま広い空間となっており、再建の後何度も改修されているものの、室町時代当時の面影を残していると思われます。
天井には雲と龍の天井画、中央には本尊である木造の薬師三尊像(重要文化財)が立ち、薬師如来の両脇を日光菩薩と月光菩薩が固めます。さらにその周りを十二神将が取り囲みます。鎌倉にはお堂の中で間近に仏像にお参りできるところが他にもありますが、覚園寺の三尊像と十二神将像は、量的にも仏像のお姿でもぜひ立ち寄ってお参りすべきと思いました。
薬師堂ではお堂についてや本尊、十二神将についての説明を聞くことができます。

季節の花

紅葉のほか、梅や福寿草、オミナエシ、紫陽花など季節の花が楽しめます。


住所         鎌倉市二階堂421
          鎌倉駅東口 5番バスのりばより「鎌倉宮(大塔宮)」行きバス(鎌20系統)に乗車、終点「大塔宮」下車。 
          徒歩約10分

          
電話番号       0467-22-1195
拝観料/入館料     大人:500円 小中学生:200円
                   
開門・閉門時間    10時〜16時(最終拝観受付15時40分)
         通常参拝休止日 4月27日、8月10日、12月20日〜1月7日 および荒天日
         (8月は、黒地蔵盆の準備片付け等のため、拝観は薬師堂のみ)